製造工程

Salagione(塩漬)

ペルシュウ製造において塩漬作業による大事な目的は、塩による殺菌、塩による味付け、そして余分な水分の除去です。

原料肉に塩を振るとき、3種類の粒の大きさの塩を用います。さらさらした粉のような塩、2mm前後の大きさのもの、4mm前後の大きさのものです。これを肉の大きさ、脂肪の厚さ、肉の色、その全体的な状態を見極めながら振っていくのですが、ここで最も大事なことは、どの粒の塩をどのように肉の中へ浸透させていくのか、どの時点まで、どの状態で塩を肉の表面にとどまらせておくのか、すべてを把握することです。

塩を振ってから、取り除くまで3~4週間あるのですが、塩振り職人(マエストロサラトーレ)は、肉の状態を把握して塩を振ったのち、冷蔵庫内の温度、湿度、肉から出る水分、塩の溶け具合、すべてをコントロールできたうえで、初めて塩振り職人と名乗ることが許されます。原料は塩と豚腿肉だけなので、この塩振りが失敗すれば、美味しい製品ができる可能性はゼロになります。振りすぎてしまえば塩辛くなり、少なすぎればカビが生えたり、腐ったりしてしまいます。

パルマハム、ペルシュウ両製造作業の中で、最も重要な仕事と呼ばれる所以がここにあるのです。